難有

2012年7月27日 社長通信191

1.はじめに
 子どもたちは夏休みに入り、町内の公園には、朝早くから、親子揃って元気よくラジオ体操で汗をかいています。
 街中は、真っ白なくちなしの花から暑さにめっぽう強い紫や白のむくげの花の季節になってきました。これからお盆過ぎまでが、所謂猛暑の時期ですので、熱中症や夏バテ、夏風邪などには、十分に気をつけましょう。

2.「難有」は「有難い」
 毎月、京都・東山、坂本龍馬や高杉晋作など幕末維新の志士が眠る聖地に隣接するミュージアム霊山歴史館で開催される社長塾で論語や人間学などを学ばせていただきありがとうございます。
 この20日は、特別講師に元松下政経塾の塾頭で、現在志ネットワーク代表の上甲晃氏の講演を拝聴しました。松下政経塾は、パナソニック創業者の松下幸之助翁が当時85歳の1979年、私財70億円を投じ、新しい国家経営を推進していく指導者育成を目的に設立しました。現野田首相は、この松下政経塾の第1期生です。私は、丁度19年前、若い後継経営者とともに体験入塾し、塾生と茅ヶ崎海岸を早朝ランニングしたり、ディスカッションしたことを思い起こしていました。
 上甲氏の言葉で強く印象に残っているのは、「難有」の言葉です。上甲氏は、少年たちの厚生施設であるキリスト教の教えに基づく北海道家庭学校に、20年近く毎年訪問されています。その礼拝堂の中の正面に「難有」の2文字が掲げられています。難有とは、人生には様々な難があるとの意味。困難、難儀、難局、難題など、できれば避けて通りたいものばかり。しかしこの難有を逆から読むと、「有難」ありがたい。即ち、「人生で出くわす困難、難儀は、有り難いことである」との意味を込めたものなのです。難有りを有難いものにしていくのが、人生であり生きるということなのだ、と上甲氏は確信しています。
 そのためには、どんなに辛く苦しい事態であっても、まずは積極的に受け入れること、そして志さえあれば、どんな困難にも耐え、乗り越えられるということです。
 そして「社長の使命は、全てを生かすことだ」という熱いメッセージを肝に銘じていきます。

3.今一度安全第一を心掛けよう
 第16期に入り1ヶ月が経ちましたが、今期の第1目標である300日の労働災害ゼロの日数が、2度リセットされ現在6日です。幸いなことに、2件とも休業することなく軽度な怪我で済み、元気に仕事をしていただいています。しかし工場内の仕事や作業に労災のリスクが潜んでいることを全従業員や協力会社の皆さんが自覚し、怪我の原因を徹底的に究明し全員が理解して、作業方法の改善改革に取り組んで、再発防止につなげていかなければなりません。即ちエアーガンや鋸刃機械の扱い、フォークリフトの安全作業・走行など、基本作業の教育指導、不安定な作業や不安全な作業の徹底排除をお願いしたいと思います。
 当社の労働災害基準は、既にお伝えしていますように、怪我や事故で受診し受傷したと判断された時点で労働災害としています。一般的には滋賀労働基準協会等で言われる中小企業無災害記録は、業務上死亡または休業災害の発生していない状態が、ある一定の日数が続いた場合に無災害記録の対象となっています。従い当社基準は、労災を厳しく捉え、生命に係る重大災害は絶対に起こさないという強い決意の表れだとご理解してください。
 我が社は、「安全と教育は全ての業務に優先する」をスローガンに、皆さんお1人お1人の物心両面の幸福を実現していきます。ありがとうございました。高橋文夫拝