当下一念

社長通信193

1.はじめに
 長月9月も残り僅かとなり、朝晩に吹く風は随分涼しくなってきました。これからは、日暮れは徐々に早くなる一方、夜明けが遅くなり、また季節変わりの時期ですので、体調管理には十分に気をつけましょう。

2.仕事の状況
 さて相変わらず国内外では政治・経済・金融が混迷していますが、例年秋口から年末年始にかけては、新築住宅の需要期になり、当社の受注量は増加して参ります。今夏はご存知の通り、消費税が2014年4月から8%、2015年10月から10%になることが国会決議されました。
 前回1997年4月、消費税が3%から5%に上がった時と同様、もう既に国内の不動産や建設業界も動き出し、施主さんやオーナーの消費増税に対する対策で駆け込み契約が見え始めています。本格的には年末から来年にかけて顕著になってくるものと思われますが、9月から10月の2x4住宅パネル出荷数量は、多方面からお声を掛けていただき、4年振りに増大しています。輸出中心や液晶TV関連、大型設備製造業などでは、受注の激減で雇用調整助成金を申請したり、金融機関の支援で当面の苦境を乗り越えようとしていることを考えると、本当に有り難いことです。
 皆さんには、各部署内や部署間で協力し、連日の残業や休日出勤等で納期対応していただいて、心から感謝致します。今後、中国実習生3人の帰国に伴う配置転換やパート・請負社員さんの雇用、そして来春高卒の採用等を図りながら、消費増税後の需要減に耐えうる組織体制づくりをしていきますので、どうぞご支援ご協力をお願い致します。

3.新社屋建設に向けて
 現在、設計の高木主任と経営会議メンバーで新社屋建設の検討会を進めています。改めてこの目的をお伝えします。①全体会議や安全教育、また全員が食事休憩できる会議室兼食堂の設置、②生産管理、設計グループや総務部等の職場環境の改善、③2x4住宅の構造躯体の紹介PR、④構造躯体は自社製造で対応、⑤ソーラー設備、省エネ設備、融雪機能、FFC免疫加工等の検討・採用、⑤イメージを一新して、地域にアッピールし誇れる建屋とする。この新設に伴い、現状の副資材倉庫や工場トイレの改築設置を実施します。
 以上、来年の4月から5月竣工を目標に建設プロジェクトを進めていきますので、皆さんの忌憚のないご意見をお寄せください。

4.当下一念(とうかいちねん)
 私は、現在京都・霊山歴史館で開催されている社長塾で、国内において現役で論語の第一人者である96歳の伊與田覚先生から師事しています。また伊與田先生は、近江聖人と称される高島出身の陽明学者中江藤樹先生の伝承者でもあります。この14日の勉強会で、中江藤樹先生の道歌を教えていただきました。
 「くやむなよ ありし昔は 是非もなし ひたすらに ただせ 当下一念」
 皆さんに「過去と他人は変えられない。しかし自分と未来は変えられる、」とよくお伝えしています。同様にこの道歌では、過ぎ去ったことは悔やんでも後戻りできるわけでもなく、事実として受け止めて、後半の解釈を伊與田先生は、「自分のいまいる場で最後まで全力を尽くすことが、新しい道が開けてくる一番の大本になります。一瞬一瞬を大切に、常に有終の美を迎えられるよう努力を重ねていきたいものです、」と感動のうちに話されました。初心、そして今の気持ち・情熱を持ち続けていきたいものです。  ありがとうございました。高橋文夫拝