2011年所信「5S元年ー仕事の基本に立ち戻って、自己変革に挑戦しよう」

2011年1月5日
   
1.はじめに
 新年あけましておめでとうございます。3年続きの年末年始寒波のお正月になりましたが、ご家族の皆様とともにお元気で希望溢れる元旦を迎えられたことと思います。年頭にあたり、皆様にとりまして、幸せ多い素晴らしい1年になりますように、心よりお祈り致します。
 さて2008年秋のリーマンショック以降、一部を除いて全世界的な経済の低迷期が続いており、未だ出口は霧の中とういう状況で、国内や私たち日本人にとっても、中国やロシアなどの外交問題や、円の独歩高による製造業の海外移転、少子高齢化による年金問題、及び政局の不安定など問題が山積しています。しかし、業績を左右するのは、決してこのような外部環境ではなく、自社内の人財育成と一致団結した努力精進次第であります。また「ピンチはチャンス」とよく言いますが、今こそ、コア・コンピタンス経営の実践、即ち他社にはない自社独自の強みを全従業員が理解共有し、更に磨きをかけて真にお客様の満足にお応えしていける絶対的に圧倒的な強みにしていく時期でもあります。
ところで『卯』の年は、十二支では4番目で、もともと暦では「茂」(ぼう)という字が卯にかわったそうです。即ち茂は、若葉が生い茂るということから、成長発展を意味します。たくさんの枝葉が伸びることから、競争が激化するともされますが、全体的には新たなる活気が生まれ、新しいことに挑戦したり、区切りをつけて心機一転変革していく年だともいえます。また皆さんとともに、将来美しい花を咲かせ、立派な実をつけるためにも、地上には見えない根っこを地道にしっかりと深く張り巡らしましょう。更には、うさぎのように、飛び跳ねて飛躍の年にしたいものです。

2.2011年経営方針
 新年にあたり今期第14期の経営方針を、改めて確認致します。
① 全従業員の皆さんの物心両面の幸福の実現と「ありがとう経営」の推進
② 安全で快適な職場を追求して、業界No.1の高品質の製品とサービスを提供する
 この方針を確実に実現していくことが、私の使命であり、従業員の皆様やお客様、お取引様、全ての関わりのある方々、地域社会に対する誓いの言葉でもあります。また今年のスローガン「5S元年―仕事の基本に立ち戻って、自己変革に挑戦しよう」を掲げさせていただきました。方針や経営目標のキーワードである、安全・快適職場・高品質・クレーム低減・生産性向上・業績向上、そして幸福の源は、仕事の基本である5S【整理・整頓・清掃・清潔・躾】の徹底にあると確信しています。即ち、
整理:不要なものを処分しよう!
整頓:いつでもすぐに使える状態にしよう!
清掃:ゴミなしヨゴレなしの状態にしよう!
清潔:きれいな状態を保つようにしよう!
躾:決められたルールを守ろう!
 今年1年を5S元年と位置づけて、全員が勇気を持って、自己及び自社変革に挑戦していただきますよう、ご協力ご支援をお願い致します。

3.決して諦めない、くじけない心
 99歳の詩人・柴田トヨさんの詩集「くじけないで」から詩を紹介します。
 【貯金】
  私ね 人からやさしさを貰ったら、心に貯金しておくの
  さびしくなった時は、それを引き出して 元気になるの
  あなたも 今から積んでおきなさい 年金よりも いいわよ

 昨年晦日の朝、NHK放送で初めて知り、心から感動しました。トヨさんが詩を書き始めたのは92歳で、1人息子の長男から勧められたのがきっかけです。その詩集「くじけないで」は、多くの読者の共感を呼び、今年も世の人々に元気と勇気を与え続けていくことでしょう。
 また「理念と経営」1月号には、103歳にして現役の声楽家で指導者の嘉納愛子さんが紹介されています。テーマは、「人は、いくつになっても成長できるんです」。嘉納さんのお元気な秘訣は、常に前向きで好奇心が旺盛、しかも度重なる苦労を昇華させる明るい心と芯の強さだと思います。なんと110歳まで生きてやろうと言っておられます。
 もう1人お元気で現役の99歳、日野原重明聖路加国際病院理事長の言葉を紹介します。「皆さんは、人生に希望を抱いているでしょうか。希望というのは、心の内にあるもの、決してなくなるものではありません。多くの人が希望ではなく、願望を追いかけているような気がします。願望は自分の外にあるものを求めることです。願望が叶わない時に、絶望して全てを投げ出してしまう。それよりも心の中に希望を育み、それを次の世代に伝えていくことこそが、ぼくたちのすべきことではないでしょうか」
 私の人生のモットーは、一日一生・一生勉強・生涯青春です。この3人の大先輩の生き方を範として、毎日自省して、このモットーに恥じない生き方をしていこうと思います。終生未熟で人生旅半ば、皆さんとともに未来に希望を抱いて、着実に歩んで参りたいと思います。
 ありがとうございました。高橋文夫拝 忠恕