クレーンの性能について

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本日24日はツーバイフォーの日です。

ツーバイフォーの日

ラフタークレーンの性能について深掘りします。
大型木造物件の建築にに欠かせないのがクレーンで、重量物を施工する場所や高さまで運搬するためのものです。

人間の手や腕の力で運べる重さは30キロくらいまで、それ以上の重さのものはクレーンなど機械を使って運搬します。

ここで重要になってくるのがクレーンの選定です。
私たちが建築工事の建て方計画を立てる際にクレーンの選定を行うのですが、この時に様々な条件が関係するので以下に紹介していきます。
① 吊るモノの重さ
⓶ クレーンの設置場所
③ 玉掛けする場所と玉外しする場所と高さ
④ ③の場所の障害物
⑤ クレーンの性能表

以上の①~⑤をふまえてクレーンの選定を行います。それぞれの内容を詳しく説明します。

① 吊るモノの重さ

パネルの長さは壁高や材種や合板種によって変わりますが、目安として大型木造物件の2×4の壁で約350キロ、2×8の壁は約600キロ、2×10の壁で約800キロになります。

また大型木造物件ではLVLの大きな梁を使用します。
この梁も大きさは様々ですが1200キロを超えるものもあります
※ネイルトラスはだいたい200キロ前後。

LVLトラスは1500キロから2500キロを超えるものもあるので、注意が必要です。
以上からわかるように一番重いものは、LVLトラスになることが多いので、建て方計画を立てるときは、LVLトラスの施工計画を中心にして様々な事を決定していきます

⓶ クレーンの設置場所

クレーンの自重と大きさが設置場所の選定に大きくかかわります。
大型木造物件では25トンのラフタークレーンを使う事が多いのですが、25トンのラフタークレーンは自重が30トン近くあり、1本のタイヤに7トンから8トンの重さがかかります。

軟弱地盤だったり、設備配管などが埋まっていたりすると進入できないので事前に打ち合わせを行います。
またクレーンの進入経路の幅、高さ、曲がり角の形状で進入できるかどうかを判断します。

③ 玉掛けする場所と玉外しする場所と高さ

玉掛けする場所とは、吊りたい材料がある場所です。
パネルなら積んである場所、トラックの荷物ならトラックの進入出来る範囲がその場所となります。
玉外しする場所とは、吊っている材料を降ろす場所です。
ここで重要なのは、上記2つの場所とレッカーの設置場所との距離で、⑤にある性能表の数字はこの距離を表しており、工事の計画の肝となります。

④ ③の場所の障害物

よくある障害物は足場で、建物の内部にレッカーを設置できないパターンの現場では、レッカーを建物の外に設置することになります。
先行足場で工事を進める事が多いので必然的に、レッカーの設置場所と玉外し場所の間には、足場が立ちます。
大型木造物件の足場は10メートル以上となることが多いので、レッカーのブームの倒せる範囲が限られてくるので工事の計画が大きく変わってきます。

玉掛け場所が建物内部の場合は良い条件で作業でき、パネルや材料が建物内部においてあるパターンや、トラックが建物内部に進入できるパターンです。
しかし多くの場合、レッカーが建物内部に進入できない状況ではトラックも建物内部に進入できない為、玉掛け場所と玉外し場所の間に10メートル以上の足場が存在することになります。この状況がいかにレッカー作業の制限となるか説明いたします。

◎荷物の足場越え

足場が10メートル以上 荷物が6メートルのバルーン壁の場合16メートル以上の高さまで荷物を巻き上げる必要があります。
風の影響を受けるので危険を伴う恐れがあり、玉掛けのオビやワイヤーの長さも考慮すると巻きシロがなくなるので、レッカーのブームの長さが足りなくなりレッカーをより大型にする必要が出てきます。

◎ 作業半径が減る

これはレッカーの設置する位置と足場との距離に関係してきます。能力的には25トンのラフタークレーンは、1トン以下の荷物なら20m以上の作業半径が取れますが、玉掛け場所や玉外し場所との間に足場があると、ブームと足場が接触するので性能表に関係なく、物理的に倒せなくなりレッカー作業の制限となります。

◎ 距離がのびる

建物周囲どこにでもレッカーを設置できるわけではありません。
隣に既存建物があったり、畑や田んぼ又は2期工事の基礎工事中など様々な理由で、建物周囲のレッカー設置位置も制限されます。
仮に建物の南側と西側にだけレッカーが設置できた場合、北側と東側は建物の幅分の距離を同じレッカー位置から吊り上げる事になる為、より能力の高いラフタークレーンが必要となります。

⑤ クレーンの性能表

クレーンが安全に作業できるかどうかの判断は、クレーン性能表に基づいて行います。
ブームが短く、立っているときが一番重いものが吊れます。
反対にブームを一番伸ばした状態で限界まで倒した状態は、軽いものしか吊れません。
ですので荷物の重さ、レッカーの設置位置、玉掛け場所、玉外し場所そして障害物の有無を性能表に当てはめて最終的にラフタークレーンの選定を経て建て方計画が完成します。
判断が難しい場合は、ひとパターンではなく3パターン程度用意しておいて、都度最適な計画にかえていきます。

まとめ

以上がラフタークレーンの性能に関する深堀でした。
常に安全となる方の判断をして、絶対に事故をおこさない。
ルールを守ってお客様に安心していただける建築工事を行ってまいります。
ありがとうございました。

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